冠婚葬祭マナー
知っておきたい贈答の基本とタブーを簡単に紹介します。
贈り物には必ずその理由があります。そしてその理由が様々なように、理由に合わせた贈り方やマナーがあり昔から「ならわし」 「決め事」として伝えられて来ました。現在ではそのような事に神経質になることも少なくなってきた様に思われますがやはり 「大安吉日」を望み、縁起を大切にする人も多いのも事実です。せっかく気持を品物に代えて伝えるなら失礼の無いようにしましょう。
理由も無いのに贈り物を贈る人はいないでしょうが、相手方にその贈る理由がハッキリ伝わらなければ受け取った人は大きな不安を持つかもしれません。日本の「熨斗紙」に書く「表書き」は贈る理由をはっきり伝える役割を持っています。 熨斗がつかない品物などは「メッセージカード」や「言葉」で必ず贈る理由を伝えることが大切です。そうすることで、先様は「品物を貰った」だけではなく、贈り主の「心」が伝わり、品物以上の価値を持つことになります。
せっかく相手の方に用意した贈り物もそのタイミングを外すと価値も半減してしまいます。彼女に遅れる理由もなくクリスマスプレゼントを12月26日に贈って、「ありがと」の一言で済まされてしまうようなものです。また不幸な場合のお見舞いなどは知らせを聞いてすぐ贈ると、まるで用意していたような印象があるので、相手の様子をお伺いしてからが無難です。いづれにしても相手の「気持ち」「様子」を考えて贈るようにすることが大切です。
贈り物に対するお礼は贈っていただいた人とのつき合いの中でたいへん大切なことで、 どのような場合でも必ず必要です。贈り物は、気持を伝えるものですから贈り主の気持を大切にマナーとして お答えしましょう。直接受け取った場合は、その場でお礼も言えますが、 宅配などで受け取った場合、すぐ「礼状」や「電話」でお礼をするようにします。 食品などは、食してからが良いでしょう。食べてもいないのに「おいしかった」とは言えませんよね。 お礼をすることで贈った方もきっと安心されたり、喜んだりされるでしょう。 また今ならお礼も「E-Mailなら即」となるのでしょうが、まだ大丈夫とのんびり構えすぎてお礼もタイミングを外さないよう心がけましょう。
● 数の基本は、奇数が慶事で偶数が弔事となります。
● 吉数は三・五・七・八。凶数は四・九と言われています。(八は偶数ですが末広がりを表していますので吉数になります。)
● 一対以上の組みになっているものは、偶数であっても慶事です。
● 慶事と弔事が重なった場合は、弔事が優先となります。
● 値札のついた品物は厳禁、特売品・贈り物の流用は要注意です。
● 目上の人には、身につけるものは贈らない方が無難です。
のしには、大きく分けて慶事用・弔事用がありそれぞれ、【蝶むすび】・【結びきり】の2種類があります。基本的に蝶結びは何度でもあって良い事を、結びきりは一度しかあってはならない事を表しています。友達への結婚プレゼントをご自分で包装することがあれば、決して蝶むすびのお熨斗を使わないように。
贈答の種類と時期や心得、お熨斗の表書きを一覧表にまとめました。こちらをご覧ください。
還暦祝い |
・60年でふたたび生まれた年の干支に還るので満60歳の誕生日を祝います。本卦還りの祝いとも言われます。 |
古希祝い |
・70歳の高齢を祝います。紅白の餅などを贈るなどします。 |
喜寿祝い |
・七十七の三文字を一字にまとめると、草書の喜の文字に似ることからこの名が起こりました。餅ならびに扇、または袱紗に喜の一字を書いて知友に贈ったりします。 |
米寿祝い |
・八十八の三文字を一字にまとめると、米という文字になることからこの名が起こりました。 |
卒寿祝い |
・90歳の誕生日を祝う行事で、九十の二字を一字にまとめると、草書で書く卒の字に似ることからこのように呼ばれます。 |
品物には意味を持つものが多くあります。その中で、花は昔から贈り手の気持ちを伝えるものとして使われてきました。花言葉を一覧にしました。
一般的に「慶事は全返し、弔事は半返し」と言われていますが、これはあくまで原則です。自分と相手の方との関係、自分の事情などでお返しは考えても良いでしょう。贈る場合と同様目上に薄く、目下に厚くというのが原則です。返礼の時期は慶事なら10日?2週間くらい、弔事であれば35日?49日が目安です。
●お茶 古くからの習慣で故人を偲ぶものとして、お茶が使われてきました。
●繊維製品 実用品として人気があります。
●陶器 土に帰ると言い、故人の冥福を祈るものとして使われました。
●漆器 不幸を塗りつぶす物として多くの人に仏事のお返しとして使われます。
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